地域における観光を情報工学のアプローチを用いて促進する研究テーマです。具体的には、バスロケーションシステムの開発、都市情報の「見える化」と観光発展の関連性、公共交通機関と都市モデルの最適化というようなテーマを通じて研究を進めています。
「ICTで暮らしを豊かに」を具現化するために、地域における公共交通や都市モデル等の様々な課題を数理データサイエンス的アプローチにより解決するのが研究テーマです。
具体的には、バスロケーションシステムの開発とデータ解析、ARマーカを用いた物体通過判定というような研究課題です。また、ICTの世界で中心となっているクラウドサービスを最適化して組み合わせる研究も行っています。
高齢化社会が進行する状況において「地方創生」を目指すには公共交通機関の充実が必要です。市民生活を支える重要な交通インフラとしてバスに着目し、バスロケーションシステムを普及させることで利便性の向上を目指します。このバスロケーションシステムをより一般的にかつ広範囲に適用できる「ユニバーサル」なシステムへと拡張し、全国の自治体への導入を目指して研究を進めています。蓄積されたデータは路線運行の効率化や、都市計画、喫緊の課題である新型コロナ等の感染拡大防止対策に役立てられることが期待されます。
この「ユニバーサル」バスロケーションシステムは、北見市をはじめ全国5つの自治体に導入されており(2024年4月現在)、今後さらに拡大されることで、全国における「地方創生」の一助になればと考えています。
ICTの世界では「クラウド」と呼ばれるインターネット上のコンピュータ資源を使うことが通常となっています。利用のコスト等を考えた場合、そのクラウドをどのように組み合わせるべきかは難しい問題です。この研究では、その組み合わせを強化学習やAIを用いて最適化することを目指しています。
また、これらの成果によって科学がより広く浸透するようオープンサイエンスの枠組み形成も進めています。
升井 洋志Hiroshi MASUI
情報通信系 教授