高分子材料を利用した第一次産業支援

研究キーワード
  • ポリマーコーティング
機能性高分子合成

高分子材料を用いて北海道内( 特にオホーツク地域) の農業、漁業、林業などの第一次産業の高効率化・活性化や課題解決を目指して研究を進めています。例えば、北見地域で盛んなタマネギ栽培は春に農作業が集中しますが、高齢化と人手不足で農家の労働負担は深刻です。一方、収穫が終わった晩秋以降は農閑期となり作業がほとんど無くなります。
我々はポリマーを使って発芽を制御する技術を研究しており、春の播種作業を農閑期にシフトさせて農家の負担を軽減することを目指しています。

ポリマーコーティング種子による
秋播き栽培方法の開発

北海道の重要作物である玉ねぎは移植栽培が中心です。農家減少と高齢化で今後は直播栽培が主流となる傾向があります。

市販製品で機械移植された畑の苗の状態

しかし、直播でも春に農作業が集中してしいます。そこで農繁期の播種作業を収穫後の農閑期にシフトさせる事を考えました。農閑期の晩秋から初冬に播種を可能とするため、ポリマーを多層コーティングした種子を作成しました。このコーティングが秋から春までに剥離し、春に種子が吸水して発芽する発芽時期のコントロール技術を確立しました。

往来の玉ねぎ用の培土
往来の玉ねぎ用の培土

PERSONAL DATA

浪越 毅

浪越 毅Takeshi Namikoshi

応用化学系 准教授

専門分野
機能性高分子合成
所属学会
高分子学会、日本化学会、日本膜学会
担当授業科目(学部)
先端材料物質工学概論、先端材料物質工学実験I、先端材料物質工学、先端材料物質総合工学II、有機化学II、有機構造解析、有機合成化学、高分子合成化学、先端材料物質工学演習、文献ゼミナール、先端材料物質工学実験I、先端材料物質総合工学I、工学基礎実験および演習
担当授業科目(大学院)
有機材料特論IV、精密合成化学工学特論
主な研究テーマ
リビングカチオン重合による新規ポリビニルエーテル系エラストマーの開発、ポリフェニルアセチレンの光照射による超分子膜の自立膜の創生、高分子材料を利用した一次産業支援
研究キーワード
リビング重合、カチオン重合、ポリフェニルアセチレン、超分子膜、玉ねぎ、コーティング種子、発芽制御