高分子材料を用いて北海道内( 特にオホーツク地域) の農業、漁業、林業などの第一次産業の高効率化・活性化や課題解決を目指して研究を進めています。例えば、北見地域で盛んなタマネギ栽培は春に農作業が集中しますが、高齢化と人手不足で農家の労働負担は深刻です。一方、収穫が終わった晩秋以降は農閑期となり作業がほとんど無くなります。
我々はポリマーを使って発芽を制御する技術を研究しており、春の播種作業を農閑期にシフトさせて農家の負担を軽減することを目指しています。
北海道の重要作物である玉ねぎは移植栽培が中心です。農家減少と高齢化で今後は直播栽培が主流となる傾向があります。
しかし、直播でも春に農作業が集中してしいます。そこで農繁期の播種作業を収穫後の農閑期にシフトさせる事を考えました。農閑期の晩秋から初冬に播種を可能とするため、ポリマーを多層コーティングした種子を作成しました。このコーティングが秋から春までに剥離し、春に種子が吸水して発芽する発芽時期のコントロール技術を確立しました。
浪越 毅Takeshi Namikoshi
応用化学系 准教授