北見工業大学

大学からのお知らせ

【報道発表】タスマン海の水温上昇が南極半島の異常高温を引き起こす

 南極半島は、世界平均に比べ気温上昇が著しい領域の1つです。気温上昇により氷床の融解が促進され、世界中の海面上昇への影響が危惧されています。近年、南極半島の異常高温を引きおこす要因として、南極大陸の温暖化や遠方である熱帯域の水温変動による影響が議論されてきましたが、南半球中緯度の海洋からの影響は未解明のままでした。

 北見工業大学(学長:鈴木聡一郎)の佐藤和敏助教、国立極地研究所(所長:中村卓司)の猪上淳准教授を中心とする国際研究チームは、中緯度のオーストラリア南東部に位置するタスマン海の水温の経年変動に着目し、南極半島の気温上昇に与える影響を調べました。タスマン海の水温が高くなると、南極大陸周辺の上空に存在する強風域が通常の年より南極側にずれます。その結果、本来ニュージーランドの東側を通過していた低気圧は、タスマン海の水温が高い年に南極周辺に到達しやすくなり、南極半島に高温をもたらす大気場が形成されやすくなることがわかりました。

 本成果では、中緯度海洋の変動が、エルニーニョなどの熱帯の影響、および南極振動による極域の影響とは独立した形で、極域の大気循環に影響を与えることを示しました。過去・現在・未来のタスマン海の水温変動に着目することで、南極大陸の氷床変動の理解と予測がさらに深化することが期待されます。

 本研究の成果は、2021年3月8日に英国のSpringer Natureから刊行される国際学術誌「Nature Communications」のオンライン版に掲載されました。

 

詳しくはこちら

« 前のページに戻る