教員の紹介
研究者情報
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学位
博士(理学)
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担当授業科目
雪氷学,気象学,物理I,物理II,物理オホーツク地域と環境,環境防災工学概論,社会インフラ工学概論,環境防災総合工学I,環境防災総合工学II,オホーツク未来デザイン総合工学I,オホーツク未来デザイン総合工学II,社会インフラキャリアデザイン総合演習,物理実験,地域マネジメント工学概論,地域未来デザイン工学入門,地球環境工学入門,工学系技術者概論
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専門分野
雪氷学
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研究テーマ
地球温暖化が雪氷圏に与える影響の解明,カーリングのストーンが曲がるメカニズムの解明,百畳敷洞窟の氷筍の研究
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研究内容キーワード
雪,氷,雪氷,カーリングの科学,南極氷床,氷河,極地
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所属学会
日本雪氷学会,国際雪氷学会,日本気象学会,国際地球物理学連合,日本物理教育学会
研究室の概要
雪氷科学研究室では、雪、氷、気象、カーリングに関連した研究を実施しています。特に、地球温暖化が雪氷圏に与える影響の解明,カーリングのストーンが曲がるメカニズムの解明,百畳敷洞窟の氷筍の研究をデータ解析および現地での観測データに基づき研究しています。
研究室の研究テーマ
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地球温暖化が雪氷圏に与える影響の解明
1800年代後半より気温が世界的に上昇しています。これを地球温暖化といいます。気象庁によると日本では1898年から2020年の間に年平均気温が1.26℃/100年上昇したことが知られています。この気温上昇のため,世界中の雪氷圏は変化・変質してきています。
雪氷科学研究室では地球温暖化が雪氷圏に与える影響を解明するため,日本国内の湖の結氷と積雪深の変化を調べています。湖の結氷に関しては,1974年から2021年までの摩周湖での結氷観測データを用いて,過去48年間の結氷状況の変化を明らかにしました(亀田ら,2022)。また,2023年冬期シーズンには,摩周湖観光協会と協力をして,「摩周湖の全面結氷日を当てようキャンペーン」を実施しました。積雪深については気象庁が1961年から2022年までに日本の積雪地域の48地点で観測した積雪深データを用いて,過去60年間の積雪深,積雪期間の変化を明らかにしました(亀田ら,2023)。今後も地球温暖化が湖の結氷や積雪深などに与える影響を解明する予定です。
<関連論文>
亀田貴雄,桑迫拓哉, 白川龍生(2023):日本の積雪地域における積雪深および積雪期間の長期変化 -1962年から2021年までの60年間における年平均積雪深と年最大積雪深による解析-.雪氷,85(4),199-222.
亀田貴雄,蜂谷衛,仁平慎吾,細川音治(2022): 摩周湖の全面結氷条件の解明およびそれに基づく2021年2月の全面結氷日の予測.雪氷,84(5), 68-88.
<写真の説明>
全面結氷した摩周湖(1978年2月17日,撮影:東海林明雄) -
カーリングのストーンが曲がるメカニズムの研究
カーリング競技では選手はストーンをゆっくりと回転させながら投げます。この時にストーンを時計回りに回転させるとストーンはゆっくりと右に曲がります。ストーンを反時計回りに回転させるとゆっくりと左に曲がります。ストーンを無回転で投げると,ストーンの軌跡は不安定になります。
カーリング競技ではストーンが曲がることを利用して,選手はストーンを投げています。ただし,ストーンが曲がる理由についてはこれまでにも多くの学術論文が出版されてきましたが,未だ完全には解明されていません。
また,カーリング競技で選手がブラシを使って氷面をこすっている動作(スウィーピングという)を見たことがある人も多いと思います。スウィーピングはストーンの軌跡を微修正することを目的として,ストーンを通常よりもまっすぐ滑らせたり,通常よりもさらに曲げたりしています。ただし,スウィーピングによりなぜストーンの軌跡が変化するのかについても完全には解明されていません。このため,これらの課題の解明を目指して,研究を進めています。
<関連論文>
Kameda, T., D. Shikano, Y. Harada, S. Yanagi and K. Sado (2020): The importance of the surface roughness and running band area on the bottom of a stone for the curling phenomenon. Scientific Reports, 10, 20637. https://doi.org/10.1038/ s41598-020-76660-8 -
百畳敷洞窟の氷筍の研究
洞爺湖近くの伊達市大滝地区に位置する百畳敷洞窟では冬期に天井から滴り落ちる水により氷筍が生成しています。2018年の調査では洞窟内に2315本の氷筍が存在していたことが知られています。雪氷科学研究室では2022年1月から観測を開始し,それ以降,洞窟内の気温測定,氷筍のインターバル写真撮影などを実施しています。また,洞窟内での氷筍を北見工業大学に持ち帰り,低温室にて氷筍の結晶構造を調べています。今後は,これらの観測データを用いて洞窟内での氷筍の成長過程を明らかにしていく予定です。