北見工業大学

工学部・大学院

カリキュラムポリシー

工学部のカリキュラムポリシー

北見工業大学工学部は、地球環境工学科と地域未来デザイン工学科の2学科及び8コースから編成されている。この教育組織の下、北見工業大学工学部は、確実な学力を持ち、主体性と広い視野を有する工学技術者を養成するため、基礎学力とその応用能力、能動的に問題を発見・解決のできる能力、並びに他者との協働能力の育成を重視する。そのため、基礎や専門に関する講義科目を適切に編成し、実験、実習、演習の場を積極的に活用し、アクティブラーニングの機会を増やすことによって、プレゼンテーション能力、コミュニケーション能力、自己管理力、チームワーク・リーダーシップ、創造的思考力の育成にも努める。また、国際社会に適応可能な語学力、工学技術者としての倫理観と責任感を有する人材を養成する。

学生は2学科のいずれかに所属し、2年前期からは各学科に編成されている7つのコース、あるいは両学科共通の地域マネジメント工学コースに所属して教育を受ける。具体的には、1年後期までの1年間では、各学科における基礎段階として数学・物理・化学等の基礎教育、外国語や人文社会系等の教養教育、工学技術者に必要となるリテラシー教育及び数理・データサイエンス教育を履修するとともに、各学科入門科目並びにコース概論により2年前期からのコース移行のための専門導入教育を受ける。2年前期からはコースに所属し、さらに基礎的な専門コア科目を履修する。2年後期から3年前期の1年間で専門コア科目を履修し、各コース専門分野の基盤を学習する。3年後期からは専門応用科目を履修し、各専門分野の応用技術を学習する。4年では、引き続き専門応用科目の学修に加えて卒業研究に着手し、課題に関する調査・解析・実験・考察・発表を行う。また、各種資格取得等に必要な科目も履修できる。

以上の履修においては、科目ナンバリング制を導入して学生が希望する分野の科目を主体的に選択して履修することを可能とする。また、キャップ制の導入により、学生が無理のない形で履修計画を立て、学修を進められるように配慮する。この間、個別担任等による指導に基づいて、本人の学修計画・研究計画やさらには将来計画等の観点から必要となる専門科目を、自コース他コース問わずに柔軟に履修できる方式とする。

また、学修成果の評価は、ディプロマポリシーに基づいて各コースで定められた学習・教育目標に基づき行う。具体的には各授業科目のシラバスに記載される達成目標と学習・教育目標との関与に基づいて、各学科及びコースの目標ごとの達成度を可視化するなどして評価を行うとともに、GPAに基づいて全体及び分野ごとの学力評価も行う。これらの評価結果を学生指導に活用することにより、学修効果の向上に努める。

地球環境問題は、現在、様々な産業分野において対応しなければならない必須の課題となっている。その解決は、伝統的な各専門分野の縦割り的教育体制では十分な対応を取ることは難しい。本学科では、エネルギー総合工学、環境防災工学、先端材料物質工学の3分野の連携を通して、様々な側面から地球環境問題の解決に寄与できる知識・技術を教授するとともに、課題の「発掘」から「解決」に至るプロセスを学生が主体的に見出し、多面的・融合的に「考える力」を培うことを可能とするカリキュラム編成としている。

《エネルギー総合工学コース》

対象とする教育・研究の具体的分野として「ガスハイドレート」、「再生可能エネルギー」、「地域分散型エネルギーシステム」および「省エネルギーシステムの構築」等を想定し、機械系、電気電子系、化学系などの分野に密接に関連するエネルギー工学について、様々な観点から総合的に学習させる。具体的には、熱エネルギー・流体エネルギー・電気エネルギー・化学エネルギーに関する基礎並びに応用科目、これらに関連する周辺分野の科目や実験を配置し、様々な視点からエネルギーに関する学習が可能である構成としている。これにより、エネルギー業界および産業界のエネルギー関連部署での多様な課題に対応可能な技術者として社会で活躍できる能力を養成する。

《環境防災工学コース》

対象とする教育・研究の具体的分野として「自然環境計測」、「自然環境の保全」、「自然災害」、「気候変動」および「防災・減災」等を想定し、環境系・防災系に関する基礎学力と問題解決能力の育成を重視したカリキュラムとしている。具体的には、地球環境、寒冷地の自然、環境工学および防災工学に関する基礎並びに応用科目、これらに関連する周辺分野の科目や実験を配置し、様々な視点から環境と防災に関する学習が可能である構成としている。これにより、環境防災分野の専門技術者に必要とされる知識を修得させ、更にデータ解析能力、実践力、コミュニケーション能力を有し、環境工学分野や防災工学分野で活躍できる能力を養成する。

《先端材料物質工学コース》

対象とする教育・研究の具体的分野として「省エネルギーに関する新素材開発」、「新エネルギー利用技術に貢献する新素材開発」、「環境汚染物質除去のための新規技術開発」、「医療分野に貢献する新素材開発」等を想定し、材料系・物質系に関する基礎学力と問題解決能力の育成を重視したカリキュラムとしている。具体的には、材料工学及び物質化学に関する基礎並びに応用科目、これらに関連する周辺分野の科目や実験を配置し、様々な視点から温暖化ガスの削減や環境汚染物質の除去等により地球環境の改善につながる先端的な新素材に関する設計・製造・開発・評価に必要となる事項を総合的に学習させる。更に、卒業研究を通じて、技術者に必要とされる情報収集・処理やコミュニケーション・プレゼンテーション能力を涵養する。これにより、基礎学力の基盤の上に広い専門的視野と応用力を持った技術者として、社会で活躍できる能力を養成する。

《地域マネジメント工学コース》

「技術的な能力」と「マネジメントの能力」はいずれも、大企業や先端企業に勤める研究者・技術者ばかりではなく、中小の企業や地方・地域の職場に勤める技術者や起業家・経営者などにとっても不可欠な能力である。また地域に視点をおいたモノの見方・考え方は、日本・世界のどこにあっても、地域・社会の工学実践の現場で活躍するためには欠かすことができない。地域マネジメント工学コースのカリキュラムは、それら工学実践の現場で必要とされるマネジメント力と地域を見る目を養う科目群で構成している。工学とマネジメントの双方に高い能力を持ち技術者・研究者・起業家・経営者として地域・社会に貢献する人材に必要な知識・能力の獲得・育成を重視し、工学の専門学力とマネジメント力を同時に身に付ける科目編成と能動的な参画型の講義による学習を進めて行く。技術課題を解決していくことはもちろん、広い視野と主体性を持ちプロジェクトや事業を企画し立ち上げること、それらを管理・運営していくことなどを、工学を基盤としつつ積極的に実行しながら地域・社会で活躍していくための能力を養成する。

気候変動が進むとともに社会構造・情勢も大きく変化するなか、未来を見据えた地域活性化を軸とする地域社会創生・デザインの重要性がますます高まっている。本学科では、地域における様々な課題の把握・解決のために工学的見地、特に機械知能・生体工学、情報デザイン・コミュニケーション工学、社会インフラ工学、バイオ食品工学の広い側面から必要となる知識・技術を教授するとともに、「安全・安心」で活力ある地域未来社会の創生・デザインに寄与でき、その能力を日本国内はもとよりグローバルにも展開できることを可能とするカリキュラム編成としている。

《機械知能・生体工学コース》

対象とする教育・研究の具体的分野として「ロボット技術を活用した福祉機器」、「一次産業の機械化」、「ICTを用いた生産技術」、「高齢化社会を支える医療工学技術」、「地域医療に貢献する医用工学技術」等を想定し、機械系・情報系・生体系に関する基礎学力と問題解決能力の育成を重視したカリキュラムとしている。具体的には、機械工学の基盤を形成する材料や運動の力学、熱力学や流体力学等の基礎科目に加え、制御工学、設計・製造工学、医療・生体工学、ロボット工学、プログラミング、人工知能やメカトロニクスなどの応用科目や実験を配置し、様々な視点から学習が可能である構成としている。これにより、基礎学力の基盤の上に広い専門的視野と応用力を持った技術者として、地域や社会が抱える課題を発見し解決できる能力を養成する。

《情報デザイン・コミュニケーション工学コース》

対象とする教育・研究の具体的分野として「コンピュータシステム」、「ソフトウェア開発」、「人工知能」、「ロボット制御」、「ビッグデータ解析・処理」、「観光情報学」、「音声・画像処理」、「光情報処理」、「高度無線通信・光通信システム開発」、「電子回路設計」等を想定し、情報・電子・通信系に関する基礎学力と問題解決能力の育成を重視したカリキュラムとしている。具体的には、コンピュータ、ソフトウェア、人工知能、システム制御、通信工学、信号処理、電子回路等に関する基礎並びに応用科目、これらに関連する周辺分野の科目や実験を配置し、様々な視点から情報工学・電子工学・通信工学に関する学習が可能である構成としている。これにより、ICT(情報通信技術)に関する基礎的学力の上に、ICTを利用した地域や社会の課題解決につながるソフトウェア開発、知能デザイン、情報コミュニケーション、情報メディア等に関する応用技術やコミュニケーション・プレゼンテーションなどの汎用的スキルを持った技術者として社会で活躍できる能力を養成する。

《社会インフラ工学コース》

対象とする教育・研究の具体的分野として近未来の少子高齢化社会に向けた「寒冷地域のライフライン」、「高度情報通信社会」、「地域に適合したインフラ設備」等を想定し、社会インフラ工学に関する基礎学力と問題解決能力の育成を重視したカリキュラムとしている。具体的には、材料・構造・地盤・水工・計画・交通・環境システムや情報通信に関する基礎並びに応用科目と演習・実験科目、これらに関連する周辺分野の科目、オホーツク地域をモデルとしたエンジニアリングデザイン科目を配置し、様々な視点から社会インフラ工学に関する総合的な学習が可能な構成とする。これにより、地域特性や実務上の問題点と課題を発見し、地域の未来を見据えて社会インフラの設計・構築・維持・管理を遂行する専門技術者として社会で活躍できる能力を養成する。

《バイオ食品工学コース》

対象とする教育・研究の具体的分野として「地域に適合した一次産業支援技術やバイオ工学技術の応用」、「地域に適合した食品工学や食品科学」、「無機、有機生体材料化学」、「生物化学工学」等を想定し、バイオ食品工学に関する基礎学力と問題解決能力の育成を重視したカリキュラムとしている。具体的には、有機・ 無機化学、生物工学、食品工学等に関する基礎並びに応用科目、これらに関連する周辺分野の科目や実験を配置し、様々な視点からバイオ食品工学に関する学習が可能である構成としている。これにより、オホーツク地域をモデルとして総合的に俯瞰した上で、化学を基盤とするバイオテクノロジーおよび食品工学分野の専門知識を学習することにより、地域の素材や食品産業等における課題へのバイオ技術の応用により未来を見据えて地域社会をデザイン・活性化できる能力を備え、国際的にもバイオ食品工学分野で活躍できる人間性・社会性を備えた技術者としての能力を養成する。

《地域マネジメント工学コース》

地球環境工学科地域マネジメント工学コースの記載と同様

大学院工学研究科のカリキュラムポリシー

博士前期課程では、各専門分野における基盤的知識と問題解決能力を有し、創造性に富み、企画力や指導力を発揮して知の世紀をリードする、個性ある専門技術者としての能力を養成する。博士後期課程では、それぞれの専門分野の知識や技術が融合する境界領域や複数の学問分野の総合力を必要とする学際領域に対応できる、広い視野を有する高度専門技術者としての能力を養成する。それぞれの課程において独創的で高度な研究を推進する中で未来志向を喚起する教育を行うとともに、多様な異文化との協調を図りながら新しい時代を切り拓くことのできるたくましい人材を育成するために「人間力教育」の充実を図る。

博士前期課程及び博士後期課程のカリキュラム構成を以下に示す。

学部で獲得した基礎知識を基にして、これからの社会に貢献する工学分野の基盤技術を担う実践的な専門技術者としての素養を涵養するため、個々の学生に対して複数の指導教員を配置し、その指導のもとにPBL(課題解決学習,Problem-Based Learning)型学位論文(修士論文)を完成させる。履修科目は必修科目と選択科目からなる。必修科目は修士論文を完成させるための工学総合演習および工学特別実験・研究に加え、国際化に対応するための英語コミュニケーションからなる。選択科目は、研究課題に対応するための専門基礎・応用力を養成する専門科目、および、これからの高度技術者に必要な知識・技術を涵養するデータサイエンス、マネジメント、人文系科目から構成される選択必修の科目からなる。講義はクォーター制を基本として、分野横断的な学習を実現するため、柔軟な科目履修を可能とする。これにより、専門能力を深化させるだけでなく、横断的研究力と学際分野への展開力を養成する。なお、成績は、筆記試験等によって厳格に評価する。

<機械電気工学プログラム>

機械工学および電気工学の領域における高度な専門的知識・技術を修得させるとともに、この二領域の有機的連携に資する化学エネルギーや知能情報、生体工学に関する幅広い知識・技術を身に付けさせる。また、PBL型学位論文における研究活動等を通して、先端技術にも展開可能な応用力と新たな技術や製品の開発にも自発的・計画的に対応できる実践的能力を涵養する。

<社会環境工学プログラム>

寒冷地における社会基盤の開発・防災と自然環境保全に関する技術者として、他分野の専門家と協働できる専門知識を修得させるとともに、変動する気候と社会情勢に対応して、安全で豊かな社会を実現するための問題分析力・課題設定力・解決力を養成する。また、工学技術者として謙虚に社会や自然と向き合うことができる高い倫理観や責任感、確実に情報を伝えることができるコミュニケーション能力を涵養する。

<情報通信工学プログラム>

情報システム工学および電子情報通信工学に関する専門知識をさらに高め、それらを情報化社会の諸課題に応用できる能力を習得させる。PBL型学習を通して、問題分析、課題抽出、解決法の考察、計画立案、プレゼンテーション、コミュニケーション、文章作成などの専門技術者としての汎用的能力を養う。

<応用化学プログラム>

材料工学、物質工学、生物工学、食品工学などの応用化学領域に関する専門的知識や技術をさらに高め、高度な専門性を持つ工学系人材を養成する。また、PBL型学位論文における研究活動等を通して、応用化学領域を専門とする技術者に相応しい実践的な問題解決能力、コミュニケーション能力および倫理観を涵養する。

<マネジメント工学プログラム>

工学の実用価値実現に向けた研究・開発の実践の現場で必須とされる業務プロセスの領域と工学技術の社会実装の領域における高度なマネジメント専門的知識を修得させる。工学技術者として工学・技術を幅広い視点から俯瞰し、社会が求める技術を生み出しかつビジネスモデルの構築や社会実装化するための方法を導く実践的な能力を養う。

<共創工学専攻>
  1. 1.本課程では主指導教員を中心に、副指導教員を含む指導チーム及び選択科目群を担当する教員により、学修成果を学修者が実感できる教育を通じて、学位論文完成に導く専門的指導を行う。
  2. 2.履修科目は必修科目及び選択科目により構成され、必修科目は主指導教員が主導する実験と、副指導教員が主導する演習からなる。いずれも工学に関する原理的課題あるいは、社会の実問題を適切に定式化し、解決に向けたプロセスを構築・進行するための指導を行う。
  3. 3.選択科目は区分ⅠとⅡからなり、区分Ⅰは専門知識の理解を深めるための工学系共創科目群であり、区分Ⅱは科学技術を実社会に接続するための社会実践系科目群である。
  4. 4.選択科目は全て1単位でありクオーター制で実施する。なお、成績評価は口述試験又は筆記試験により厳格に行う。

多角的で学際的な問題把握力、研究企画力、開発実践能力を涵養するにあたり、個々の学生に対して指導教員グループを組織し、その指導のもとに学位論文を完成させる。履修科目は必修科目と選択科目からなる。必修科目は、専門性、総合性、学際性、実践的研究能力等を養成するための講義、演習、実験、実習からなる。選択科目は、所属する教育研究分野の専門科目の講義、他教育研究分野又は他専攻の専門科目の講義、各専攻共通科目の講義からなる。なお、成績評価は、学期末又は学年末に、口述試験又は筆記試験等によって厳格に評価する。

<生産基盤工学専攻>

生産基盤工学を構成する専門分野である「材料・物質」および「情報・システム」について高度な専門的知識・技術を習得させる。他専攻との横断的科目や学際的科目、社会性・国際性を涵養する総合的科目を習得させることによって幅広い視野と創造性を育成し、インターンシップの体験によって実践的な研究展開の手法を習得させる。また、博士研究に関連した特別研修、特別講義を履修し博士研究を遂行させることによって、生産基盤工学分野における高度専門技術者としての能力を養う。

<寒冷地・環境・エネルギー工学専攻>

寒冷地・環境・エネルギー工学を構成する専門分野である「寒冷地社会基盤」および「環境エネルギー」について高度な専門的知識・技術を習得させる。他専攻との横断的科目や学際的科目、社会性・国際性を涵養する総合的科目を習得させることによって幅広い視野と創造性を育成し、インターンシップの体験によって実践的な研究展開の手法を習得させる。また、博士研究に関連した特別研修、特別講義を履修し博士研究を遂行させることによって、寒冷地・環境・エネルギー工学分野における高度専門技術者としての能力を養う。

<医療工学専攻>

医療工学を構成する「医療機器・計測工学」について高度な専門的知識・技術を習得させる。他専攻との横断的科目や学際的科目、社会性・国際性を涵養する総合的科目を習得させることによって幅広い視野と創造性を育成し、インターンシップの体験によって実践的な研究展開の手法を習得させる。また、博士研究に関連した特別研修、特別講義を履修し博士研究を遂行させることによって、医療工学分野における高度専門技術者としての能力を養う。

問合せ先

北見工業大学 教務課 教務企画係

〒090-8507 北海道北見市公園町165番地
TEL:0157-26-9172 FAX:0157-26-9185
E-Mail:kyoumu03*desk.kitami-it.ac.jp
(送信の際に*を@に変更してください)

[教務課 Last updated: 2023.04.17]