教員の紹介
研究者情報
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学位
博士(工学)
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担当授業科目
社会インフラ工学概論,地盤工学I,環境防災工学実験I,地盤環境防災工学,社会インフラ工学実験I,建設技術,環境防災総合工学I,環境防災総合工学II,環境防災キャリアアップ総合演習
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専門分野
地盤工学、土質力学
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研究テーマ
ジオシンセティックスを活用したのり面保護工の高機能化,補強土壁における品質管理システムの高度化,ジオシンセティックスを活用した生活道路における段差抑制対策,ジオセルの地盤補強メカニズム,セメント改良土の強度発現とその評価手法,緑化と凍上対策を両立したジオセルとジオグリッドを連結した補強土壁,排水パイプによる斜面安定効果,簡易で丈夫な林道の開発,豪雨による農地侵食・崩壊モニタリング,3Dスキャナーを用いた林内計測技術,寒冷地に適した地山補強土工に関する研究,各種地盤材料における弾性係数の異方性に関する研究
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研究内容キーワード
補強土,ジオシンセティックス,斜面安定,凍結融解,地盤改良,変形・強度特性
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所属学会
地盤工学会,ジオシンセティックス学会,土木学会,緑化工学会
研究室の概要
近年の気候変動で増加傾向にある豪雨や巨大地震によって、斜面、堤防、道路など、私たちの生活を支える地盤や地盤構造物が崩壊・損傷する事例が多くなっています。また、本学が立地する寒冷地では、地盤の凍結と融解が原因となった斜面や道路の被害も多数発生します。私たちの研究室では、このような問題を地盤を強くする技術(地盤補強)によって解決することを目的とした研究に取り組んでいます。屋外での地盤調査や実物大実験、屋内での室内試験や模型試験、数値解析といった方法を駆使し、特にジオシンセティックスと呼ばれる土木用途の高分子合成繊維製品を活用した地盤補強技術によって問題の解決を目指した研究に力を入れています。他にも、オホーツク地域の基幹産業である一次産業を、我々が得意とする地盤工学等の工学技術によって支援することを目指し、農地や林道の侵食・崩壊を防ぐ研究や、ドローンや3Dスキャナーを用いたモニタリング技術に関する研究も行っています。
研究室の研究テーマ
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ジオシンセティックスを活用したのり面保護・斜面安定
ジオセルと呼ばれる土を拘束できるハニカム構造の展開枠をのり面上に設置することで、豪雨や凍結融解によるのり面(斜面)の侵食・崩壊を抑制することを目指した研究です。このとき、大昔に作られた古墳で使われていた技術を応用し、ジオシンセティックスの一つであるジオセルの中に詰める土の種類を変えた2層構造とし、間には不織布と呼ばれるシートを敷くことで、雨による侵食を防ぎつつ、雨の浸透を抑え、緑化もできる高機能なのり保護工を目指しています。
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補強土壁の新たな品質管理方法
重くて高価な厚いコンクリートの壁の代わりに、土の中に補強材を置くことによって、壁の厚さが薄くても丈夫な壁を作る技術があり、補強土壁と呼ばれています。しかし、この壁は悪質な土が混ざると、簡単に変状・崩壊します。これを未然に防ぎながら壁を作る新しい方法に関する研究です。補強材をわずかに動かすときの抵抗から土の状態を判別し、それをクラウドから遠隔地でも確認できるようにすることで、誰でも簡単に丈夫で安全な壁を作るシステムの開発を目指しています。
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ジオシンセティックスを活用地震時の生活道路や林道の補強
北海道胆振東部地震では、住宅地を作るために行われた盛土と切土の境界で大きな段差が生じ、交通障害が発生しました。また、切った木を運ぶための道である林道では、豪雨によって砂利道が侵食され、走行できなくなってしまいます。これらの問題をジオセルを使って解決することを目指した研究をしています。舗装路の下に不織布で巻いたジオセルを設置することで、段差をなだらかにして災害時の緊急車両の走行を確保し、林道ではジオセルが持つ拘束効果を生かして侵食を防ごうと考えています。