教員の紹介
研究者情報
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学位
博士(工学)
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専門分野
物理化学
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研究テーマ
天然ガスハイドレートの結晶学的研究,クラスレートハイドレートの物性(結晶構造・熱力学的安定性等),クラスレートハイドレートの工学応用(ガス貯蔵・分離等),マイクロプラスチック
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研究内容キーワード
クラスレートハイドレート,ガスハイドレート,メタンハイドレート,天然ガス,ガス輸送・貯蔵技術,ガス分離技術,固体NMR,ラマン分光,結晶構造解析,粉末X線回折,相平衡,マイクロプラスチック
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所属学会
日本雪氷学会,日本エネルギー学会,石油学会,日本地球惑星連合,American Chemical Society,American Geophysical Union
研究室の概要
非在来型天然ガスのひとつとして期待されているメタンハイドレート(メタン分子を包接するガスハイドレート)は、どのような場所でどのように存在しているのでしょうか。ガスハイドレートの特性を工学的に利用するにはどのようにすればよいでしょうか。世界最高レベルの透明度を持つ摩周湖には、人間活動による環境汚染が及んでいるのでしょうか。当研究室では、ガスハイドレートの結晶特性を利用した低炭素資源の有効活用と省エネルギー・低環境負荷技術への応用、摩周湖水中の人為起源の汚染物質を計測する方法の開発、温泉付随メタンの資源化に向けた検討、環境変動による海底・湖底メタンハイドレートの分解と温室効果ガスの放出など、環境・エネルギーに関する研究を推進しています。
研究室の研究テーマ
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環境変動による国内外の海底・湖底メタンハイドレートの分解と温室効果ガスの放出
天然メタンハイドレート(MH)中のメタンは、非在来型天然ガス資源の一つとして期待されています。また、温室効果ガスであるメタンを包接する天然MHの安定性と気候変動との関係や、大陸斜面の安定性に対する海底MHの役割など、天然MHは地球環境および防災の観点等からも注目されています。大学内そして国内外の研究機関と共同で、現地調査および計測と評価を通して、天然MHの分解と温室効果ガスの放出に関する研究を進めています。
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摩周湖で地球環境汚染を監視
摩周湖は、国連環境計画のベースラインモニタリングステーションとして登録されている日本で唯一の湖です。集水域の6割を湖面が占め、流入および流出河川が無いことが特徴であり、集水域よりむしろ大気経由の汚染負荷の影響を検出しやすい条件を持った湖です。湖水中の超微量の人為起源の環境汚染物質(マイクロプラスチック、重金属など)の存在を明らかにし、その供給源に関する知見を得ることを目的に、現地調査および計測方法の開発等をおこない、大学内そして国内の研究機関・大学と共同で研究を進めています。
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クラスレートハイドレートの工学応用
クラスレートハイドレートは、ガス貯蔵、ガス分離または蓄冷熱媒体等への応用が期待されています。クラスレートハイドレートの結晶中には、天然ガスの主成分であるメタンなどの炭化水素、地球規模での排出量の削減が求められている二酸化炭素をはじめ、様々なガス分子を固定できます。クラスレートハイドレートへのガスの取り込まれ方、結晶の生成・分解挙動などの物理化学的特性を解明し、これらの結晶特性を利用した低炭素資源の有効活用、省エネルギー・低環境負荷技術への応用を目指した研究を進めています。