北見工業大学

大学概要

告辞・挨拶等

令和5年度入学式 告辞(2023年4月5日)

 新入生の皆さん、入学おめでとうございます。北見工業大学の教職員を代表して、皆さんの入学を心から歓迎いたします。
 また、これまでのご成長を見守ってこられた保護者の皆様、関係者の方々に心よりお祝い申し上げます。

 本学は、1960年に国立北見工業短期大学として開学しました。その後、1966年に四年制大学となり、現在では2000人を超える学生が在籍する規模となりました。今年度は、学部には9人の留学生を含む415人の新入生と、16人の編入生が入学しました。また大学院には9人の留学生を含み、博士前期課程に140人、博士後期課程には9人が入学し、総勢580人の新入生を迎えることとなりました。

 本日の入学式は、3年ぶりにここ北見市民会館で開催することができました。残念ながら、新入生以外の参加ができない状況での開催となりましたが、感染症対策が徐々に緩和されていく現状を大変嬉しく思います。皆さんは高校生、あるいは学部生時代のほとんどすべてを感染症対策とともに過ごしてきました。これからは講義以外にも、サークル活動や大学祭など、適時判断しながら平常に戻していこうと思います。是非、キャンパスライフを思う存分、楽しんでください。

 未知のウイルスによるパンデミックは、人類の長い歴史の中で幾度となく繰り返されてきました。この度の感染拡大については、経済のグローバル化がヒトの流動性を格段に高め、急速な拡大の原因になったといわれています。このパンデミックにより、国際社会は大きく混乱し、その結果、世界各国の分断が進む事態となりました。

 また、対岸の火事と捉えられていたロシアのウクライナ侵攻においても、日本を含む多くの国が経済的ダメージを受ける状況となりました。自国の利益を最優先するグローバル化によって作られた国際協力関係は、有事の下ではいとも簡単に分断されるという経験が繰り返されました。

 一方で、地球規模の重要な課題である温暖化対策は、経済的事情に関わらず、世界規模での連携・協力が必要です。未来社会を担う皆さんは、是非、本当の意味でのグローバル化や国際協力について考え、向き合っていただきたいと思います。

 そして、このグローバリゼーションには、情報通信技術の発展や、物流・移動手段の発達が不可欠であり、工学が果たす役割は重要です。既に、様々な状況でIoTが人とモノを繋げ、多くの知識や情報が短時間で共有されながら、次々と新たな価値が生み出されています。

 情報技術を基盤として世界が大きく変わっていく中、工学を専門とする未来の技術者に求められる素養は、大きな転換期を迎えています。先程お話ししたように、科学技術の発展は人類の営みを豊かにする反面、簡単には解決できない課題も同時に生み出してしまうことがあります。これからの技術者には、広い視野で多角的に物事を捉え、人間社会の多様性を理解し、高度な専門知識と高い応用力によって、課題解決に取り組む姿勢が求められます。大学では、単に専門知識を修得するだけに留まらず、広い視野と分野横断的な応用力を身につけ、自ら課題を発見し解決できる能力を磨いてください。

 皆さんが学ぶ工学は、人類の営みを豊かにするために生まれた学問です。この度のパンデミックや戦争によって、私たちは本当の豊かさとは、安全で安心な日常の上に成り立つことを改めて実感しました。豊かな社会の実現には、多角的な視点から課題解決に取り組む必要があります。様々な立場の、より多くの人々との意思疎通や議論が有効な解決手段を生み出し、最終的に人類の豊かな営みに結び付くものと思います。

 同様に、皆さんの豊かで充実した学生生活にも、コミュニケーションが大変重要になるでしょう。日常的に使うSNSだけでは正しく意思を伝達し、相互理解を深め、信頼を得る関係にまでは至りません。是非、学生生活の中で多くの学生と接し、新たな友人を作ってください。本学には、全国各地の多様な文化と歴史を背景に育ってきた友人に出会えるチャンスがあります。また、様々な国から来学した留学生との交流もできます。多様な個性と価値観を持つ、より多くの友人と意見を交わしながらコミュニケーション力を磨き、皆さんの将来に活かして欲しいと切に願います。ポストコロナの時代を迎え、本学も皆さんが思い通りに交流できる機会を増やしていきたいと考えています。

 本学は、小樽商科大学、帯広畜産大学と経営統合し、国立大学法人北海道国立大学機構北見工業大学となり、1年が経過しました。この経営統合によって、異分野融合の教育・研究は益々充実したものとなっていきます。連携教育プログラムでの学びや学際領域の研究活動に、積極的に取り組んでいただくことはもちろん、他大学の学生との交流の機会についても、大いに自己研鑽に役立てていただきたいと思います。

 結びになりますが、大学での学生生活は皆さんの人生にとって、非常に貴重な経験になります。輝かしい未来に向け、本学での経験が生かされるよう、一瞬一瞬を大切に過ごしてください。皆さんの学生生活が充実したものになりますよう祈念いたしまして、歓迎の挨拶といたします。

令和5年4月5日
北見工業大学長 鈴木 聡一郎

令和4年度学位記授与式 告辞(2023年3月17日)

 学部卒業生、ならびに大学院修了生の皆さん、この度の学位取得は誠におめでとうございます。本学で高度な専門知識を習得し、研究に打ち込まれた成果として、学位記を授与されましたこと、北見工業大学の教職員を代表して心からお祝いいたします。

 本日、晴れて学士の学位を取得した方は397人であり、修士の学位は110人、博士の学位は4人の方が取得いたしました。この中には17人の留学生が含まれています。この学位記授与に至るまでには、さまざまな課題の解決にあたり、多くの困難を乗り越えてきたことと思います。そんなとき、皆さんを力強くサポートしてくれた指導教員や研究室の仲間、そして心の支えとなったご家族や友人など、周囲の支援があってこそ成し得ることができたということを、忘れてはならないと思います。この経験を今後の人生に大いに活かし、これからは周囲を支える側となって活躍頂けるよう、心から願っています。

 今年度の学位記授与式は、昨年に引き続き北見市民会館で開催することができました。その一方で、ご家族をはじめ皆さんがこれまでお世話になった方々に、直接皆さんの晴れ姿をお見せできないことは、大変残念に思います。一刻も早くコロナ禍から完全に脱却できることを祈っています。

 3年にも渡った新型コロナウイルスのパンデミックについては、経済のグローバル化がヒトやモノの流動性を高めたことが大きな原因であると考えられています。世界各国が経済的なメリットを優先した外交を展開し、富を追求した結果が感染拡大を大きく加速してしまった、と言い換えることができるのではないでしょうか。

 このグローバリゼーションによって、対岸の火事と捉えていたロシアのウクライナ侵攻においても、多くの国が経済的ダメージを直接受けることになりました。国際社会における軍事侵攻に対するスタンスもやはり、自国の利益追求がベースになっており、正義より利益が優先される国際社会の課題が表面化しました。もはや自国の利益を最優先する国際協力関係では、世界平和を実現できないことは明らかです。

 これは、感染症や戦争だけの問題に止まりません。世界各地で過去に経験のない自然災害が多発しています。この原因の一つと言われる地球温暖化についても、大局的な視点からは経済最優先の人類の営みが地球規模での環境破壊を進め、新たな災害を生み出している状況だと言えます。急速に進んできたグローバル化や地球環境の破壊は、科学技術の発展が加速してきたものです。工学分野で教育・研究に従事している我々は、このような事態に目をつぶるわけにはいきません。脱炭素によるグリーン社会の実現やDX推進による社会の構造改革によって、人類の豊かさと自然との共存を、バランスよく維持できる社会の実現が重要なミッションであると再認識しなくてはなりません。

 さらに、この度の戦争では高度な情報通信技術が、時に武力をも上回ることがあるという事実が示されました。それに加え、巧妙に制作されたフェイクニュースがプロパガンダに利用されたり、3Dプリンターで作られたドローンがさまざまな軍事活動に使用されるなど、技術革新には、常にデュアルユースの問題が潜んでいることも、忘れてはなりません。

 このような社会情勢の中、皆さんにお伝えしたいことは、過去の教訓を無駄にすることなく、多くの情報を集約し、広い視野で多角的に社会的課題を捉え、磨き上げた高い応用力でその解決に取り組む姿勢をもつ技術者を目指していただきたい、そして身に付けた技術や知識だけに頼らず、信念をもって物事を正しく判断する目を養っていただきたい、ということです。

 これから社会人となる皆さん、進学する皆さんには、激動する社会の変革に呑み込まれることなく、確かな信念の基、安全・安心で豊かな生活を築く科学技術の発展に貢献できるよう、ご成長頂きたいと切に願っています。もちろん、自分ひとりの力だけでは全てを成し遂げることはできないでしょう。常に周囲への感謝を心に留め、信念を貫き通し続ければ、そこには必ずや共感する仲間ができることでしょう。是非、明るい未来に向けて正しく社会を先導する人物を目指していただきたいと思います。

 結びになりますが、この度の学位記授与、そして新たな門出を祝い、卒業生・修了生皆さんの益々のご活躍を祈念いたしまして学長告辞といたします。

令和5年3月17日
北見工業大学長 鈴木 聡一郎

 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。北見工業大学の教職員を代表しまして、ご入学を心から歓迎いたします。
 また、これまで皆さんのご成長を見守ってこられた保護者の皆様、関係者の方々に心よりお祝い申し上げます。

 本学は、1960年に国立北見工業短期大学として開学しました。オホーツク地域は、すべての市町村が第1次産業を主要産業としていますが、高度経済成長期の当時、若い技術者の育成や工業による地域の発展に大きな期待が寄せられました。当時の入学定員はわずか80名でしたが、その後、1966年に四年制大学となり、大学院設置や国際化を推し進めた結果、現在では二千人を超える学生が在籍する規模となりました。今年度は、学部には7人の留学生を含む414人の新入生と12人の編入生が入学しました。また大学院には7人の留学生を含み、博士前期課程に129人、博士後期課程には8人が入学し、総勢563人の学生諸君が入学いたしました。

 通常であれば北見市民会館で開催している入学式は、大変残念なことに未だ終息しないコロナ禍の影響を受け、大学内の講堂で3回に分けて実施することになりました。未知のウイルス感染によるパンデミックは、人類の長い歴史の中で幾度となく繰り返されてきました。かつて、ユーラシア大陸の交易路として栄えた「シルクロード」での人の往来が、天然痘やペストの感染を拡大しましたが、現在では経済のグローバル化がヒトの流動性を格段に高め、急速に感染が拡大する状況となり、社会は大きく混乱しました。

 その一方で、このグローバリゼーションは、産業界を中心としたパラダイムシフトを引き起こし、インターネットや通信衛星に関わる科学技術をより一層発展させ、世界全体のボーダーレス化を加速してきました。ウイルス感染の拡大速度を大幅に向上させてしまった反面、迅速なワクチンの開発・供給や有効な治療法の普及にも貢献しています。

 さらに、今回のパンデミックが人流・物流を大きく制限した結果、逆にIoTを活用したデジタル化が世界中で促進され、情報通信技術の重要性が再認識されました。日本社会が目指すSociety 5.0は、IoTで全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され新たな価値を生み出すことで、少子高齢化や地方の過疎化、貧富の格差など、本邦が抱える課題を克服することを目標としています。既に、様々な経済活動がビッグデータ化され、それを分析・活用することで新たな経済価値を生み出し、AIによる新たなサービスの提供が実現しつつあります。

 このように、情報技術を基盤として世界が大きく変わっていく中、工学を専門とする未来の技術者に求められる素養は、大きな転換期を迎えています。感染症の例でお話ししたように、科学技術の発展は人類の営みを豊かにする反面、簡単には解決できない課題も同時に生み出します。これからの技術者には、広い視野で多角的に物事を捉え、人間社会の多様性を理解し、高度な専門知識と高い応用力による的確な判断の下、課題解決に取り組む姿勢が求められます。大学では、単に専門知識を修得するだけに止まらず、広い視野と分野横断的な応用力を身につけ、自ら課題を発見し解決できる能力を磨いてください。

 このような社会の変革に柔軟に対応できる技術者を養成するため、本学の学士課程は、2学科8コース制としています。異なる工学分野を横断的に学べる仕組みを導入し、学年進行に伴い自分の専門分野を絞り込むことが可能になっています。また、多くのアクティブラーニング科目や課題解決型学習の機会を提供し、自ら課題を発見し、解決できる能力を磨くことができます。さらに大学院博士前期課程は、1専攻4専修プログラムとすることで、異分野融合的な研究テーマに関わる機会を増やしています。

 皆さんがこれから学び、研究に携わる工学は、人類の営みを豊かにするための学問です。この度の世界的な感染症拡大によって、私達は本質的な「豊かさ」の意味について、多くの気付きがありました。経済的利益の追求だけでは豊かな生活を実現できないばかりか、不安で不便な生活を強いられ、逆に経済活動が急激に停滞するという経験を通じて、豊かさというものは、安全で安心な日常生活の上に成り立つものだと実感しました。感染症のみならず、現在問題となっている戦争や紛争、そして環境破壊や自然災害についても同じことが言えます。私達は、それぞれの課題について、多角的な視点から理解を深める必要があります。そのプロセスにおいて、関係する多くの人々との信頼関係が有効な解決手段を生み出し、最終的に人類の豊かな営みに結び付くものと信じています。そして、その基盤となる人間同士の直接対話が大変重要であると感じています。

 当然、皆さんの豊かで充実した学生生活にとっても、コミュニケーションが大変重要になるでしょう。いくら情報科学技術が進歩しても、SNSだけでは正しく意思を伝達し、相互理解を深め、信頼を得る関係にまでは至りません。是非、学生生活の中で多くの学生と接し、新たな友人を作ってください。本学には、全国各地の様々な文化と歴史を背景に育ってきた友人に出会えるチャンスがあります。また、様々な国から来学した留学生との交流もできます。多様な個性と価値観を持つ、より多くの友人と意見を交わしながらコミュニケーション力を磨き、皆さんの将来に活かして欲しいと切に願います。そして一刻も早く、そのような環境が整うよう尽力することをお約束いたします。

 本学は、4月1日から小樽商科大学、帯広畜産大学と経営統合し、国立大学法人北海道国立大学機構北見工業大学となりました。皆さんは、その第1期生となります。この経営統合によって、異分野融合教育・研究は益々充実したものとなっていきます。連携教育プログラムでの学びや学際領域の研究活動に積極的に参加いただくことはもちろん、他の2大学の学生との交流やキャンパス体験の機会などを、大いに自己研鑽に役立てていただきたいと思います。

 結びになりますが、大学での学生生活は皆さんの人生にとって、非常に貴重な経験になります。輝かしい未来への希望と期待を胸に、一瞬一瞬を大切に過ごしてください。皆さんの学生生活が充実したものになりますよう祈念いたしまして、歓迎の挨拶とします。

令和4年4月4日
北見工業大学長 鈴木 聡一郎

 学部卒業生、ならびに大学院修了生の皆さん、この度の学位取得は誠におめでとうございます。本学に入学して以来、多くのことを学び、研究に打ち込んだ努力の成果として、学位記を授与されましたこと、北見工業大学の教職員を代表し、心からお祝いいたします。

 本日、晴れて学士の学位を取得した方は380人、修士の学位は97人、博士の学位は7人の方が取得いたしました。この中には29人の留学生が含まれています。この学位記授与に至るまでに、皆さんは多くの困難に立ち向かい、それを乗り越えてきたことと思います。そんなとき、皆さんをサポートしてくれた指導教員や研究室の仲間、陰で支えてくれたご家族や友人など、周囲のさまざまな協力と支援があってこそ成し得たのだということを決して忘れないでいただきたいと思います。この経験を今後の人生に大いに活かして頂けるよう、心から願っています。

 今年度の学位記授与式は、卒業生、修了生だけの出席に限定しましたが、3年ぶりに北見市民会館で実施することができました。新型コロナウイルスの感染拡大が未だ終息の兆しを見せない中、北海道ではまん延防止等重点措置の実施期間が延長され、ご家族をはじめ、皆さんがこれまでにお世話になった方々に、直接皆さんの晴れ姿をお見せできないことは、大変残念に思います。

 さて、拡大し続けている新型コロナウイルス感染ですが、皆さんはこの状況をどのように捉えているでしょうか。中国湖北省武漢市で最初の感染が報告されて以来、感染は瞬く間に全世界に広がりました。およそ100年前のスペイン風邪では、世界人口のおよそ30%の人々が感染し、4000万人の死者が出たと言われています。現在の感染状況より遥かに多い数字となっていますが、拡大のスピードは、スペイン風邪と比較にならないほど速くなっています。100年前に感染を広めた原因は、第1次世界大戦での国を跨いだ兵士の移動であると言われていますが、今回の急速な感染拡大は、経済のグローバル化がヒトやモノの流動性を高めたことが大きな原因であると考えられています。世界各国が国際競争力向上を目指し、人間社会が過度に富を追求した結果が、急速な感染拡大を招いてしまったとも言えるのではないでしょうか。未だに感染症対策と経済的な復興対策の狭間で揺れ動いている社会を見るにつけ、人間の無力さを感じざるを得ません。

 しかし、その一方で「グローバリゼーションによって、新型コロナウイルスの被害を現状に止めることができている」とも考えられます。感染拡大を受け、世界各国で新型ウイルスのゲノム解析が進められ、解析結果は迅速に情報共有され、各国の製薬会社を中心にワクチンや治療薬の開発が始まりました。さらに承認されたワクチンは、短期間で世界各国に供給されることになりました。グローバル化が進んでいなければ、被害がより激甚化していたのは明らかです。見方を変えれば、新型コロナウイルスから、グローバルな信頼関係をどの程度構築することができるか、人間社会の能力を試されているのではと感じます。

 これは、感染症だけの問題に止まりません。世界各地で過去に経験のない自然災害が多発しています。これも大局的見地から、経済を最優先した人間の営みが地球規模で環境を破壊し、新たな災害を生み出している状況だと言えるのではないでしょうか。急速に進んできたグローバル化や地球環境の破壊は、科学技術の発展が加速してきたものです。工学分野で教育・研究に従事している我々は、このような事態に目をつぶるわけにはいきません。脱炭素によるグリーン社会の実現やDX推進による社会の構造改革によって、自然と共存する社会の実現を目指すことを、重要なミッションとして捉える必要があると考えます。

 皆さんにお伝えし、心に刻んでいただきたいことは、このような教訓を無駄にせず、広い視野で多角的に社会的課題を捉え、磨き上げた高い応用力でその解決に取り組む技術者を目指していただきたい、そして身に付けた技術や知識だけに頼らず、知性を磨き、物事を正しく判断することに努め、社会で活躍頂きたいということです。

 これから社会人となる皆さん、進学する皆さんには、急激な社会の変革に呑み込まれることなく、確かな信念の基、真に人間社会に貢献できるよう、ご成長頂きたいと切に願っています。そして、東京、北京で開催されたオリンピック、パラリンピックで活躍したメダリスト達が口々にコメントしたように、周囲への感謝を忘れることなく、未来に向けて正しく社会を先導する人になってください。

 この度の学位記授与、そして新たな門出を祝い、卒業生・修了生皆さんの益々のご活躍を祈念いたしまして学長告辞といたします。

令和4年3月18日
北見工業大学長 鈴木 聡一郎

 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。北見工業大学の教職員を代表しまして、皆さんのご入学を心から歓迎いたします。

 本学は、地域の大きな期待を受け、国立北見工業短期大学として1960年に開学し、昨年、60周年を迎えることができました。開学当時の入学定員はわずか80名でしたが、その後、1966年に四年制大学となり、大学院設置や国際化を推進した結果、現在では二千人を超える学生が在籍する規模となりました。今年度は、学部には8人の留学生を含む411人の新入生と22人の編入生が入学しました。また大学院には6人の留学生を含み、博士前期課程に121人、博士後期課程には7人が入学し、総勢561人の学生諸君が入学しました。

 例年、北見市民会館で開催している入学式は、新型コロナウイルスの感染拡大により、本学講堂にて分割開催することになりました。本日、皆さんの晴れ姿を、ご家族やお世話になった方々に直接ご披露できないことは、非常に残念に思います。また、学部に入学された皆さんは、大学入学共通テストや英語4技能に係る民間試験への対応、さらにコロナ禍による授業の遅れや入試日程の変更など、大きな不安や困惑の中、難関を突破して入学して来られたものと理解します。大学院に入学された皆さんも、卒業研究の遅れや研究発表、入試対応では大変苦労したことと思います。是非、この貴重な体験を無駄にせず、ご自身の人間的成長と、入学後の学びに活かして頂きたいと思います。

 今回のコロナ禍は、世界中の人々に多くの深刻な被害をもたらす一方で、大学でもオンライン授業が主流となったように、社会全体でIoTの実装を加速しました。様々な経済活動がビッグデータ化され、それを分析・活用することで新たな経済価値を生み出し、複雑な判断を伴う労働やサービスが、AIに代替されつつあります。米国の著名な発明家、未来学者であるレイモンド・カーツワイル氏は、人工知能研究の世界的権威として知られており、人類は2045年に技術的特異点:シンギュラリティを迎え、人工知能が人間の知能を上回り、それ以降は人間の想像を超越して社会が進化していくと予測しています。

 さらに、ポストコロナの時代を迎えるにあたり、本邦ではSociety5.0の実現、地方分散型社会への変革が、より現実味を増してきていると感じます。これを大きな転機と捉え、政府はデジタルトランスフォーメーション:DXを強力に推し進めようとしています。一般的にDXとは、最新のデジタル技術を駆使した、デジタル化時代に対応するための企業等の変革を指し、デジタル技術やビッグデータを活用した製品、サービス、ビジネスモデルの開発を進め、競争上の優位性を確立することを意味します。

 このように、情報技術を基盤として世界が大きく変わりつつある中、工学を専門とする未来の技術者に求められる素養は、今後大きな転換期を迎えることになります。これからの技術者には、広い視野で多角的に物事を捉え、人間社会の多様性を理解し、高度な専門知識で複雑化する課題解決に取り組む能力が求められます。本学では、単に専門知識を修得するだけに止まらず、広い視野と分野横断的な応用力を積極的に身につけてください。そして、我々の日常生活を一変させたパンデミックの終息後は、是非、人間社会の多様性を理解するための第一歩として、大学生活の中でより多くの学生と接し、新たな友人を作ってください。多様な個性や背景を持つ、多くの友人と意見を交わしながらコミュニケーション力を磨き、皆さんの将来に活かして欲しいと切に願います。

 結びになりますが、大学での学生生活は皆さんの人生にとって、大変貴重な経験となり、記憶に残るものとなります。輝かしい未来への希望を胸に、大学生活の一瞬一瞬を大切に過ごしてください。皆さんの学生生活が充実したものになるよう祈念いたしまして、歓迎の挨拶とします。

令和3年4月17日
北見工業大学長 鈴木 聡一郎

 学部卒業生、並びに大学院修了生の皆さん、この度の学位取得は誠におめでとうございます。これまでの皆さんの努力の成果として、学位記を授与されましたこと、北見工業大学の教職員を代表し、心からお祝いいたします。

 この度、晴れて学士の学位を取得した方は381人、修士の学位は112人、博士の学位は7人の方が取得しました。この中には10人の留学生が含まれています。この学位記授与に至るまでには、多くの困難と努力があったことと思います。そんなとき、皆さんに支援の手を差し伸べてくれた研究室の仲間や指導教員、陰で支えてくれたご家族や友人など、周囲の様々な協力があってこそ成し得たことだということを決して忘れないでください。是非、これまでの経験を今後の人生に活かして頂けるよう、願っています。

 今年度の学位記授与式は、卒業生、修了生の皆さんだけの出席に限定し、分割方式を採ることで対面での開催を実現することができました。新型コロナウイルスの感染拡大が未だ終息の兆しを見せない中、学位記授与式を通常通り挙行できず、ご家族をはじめ、皆さんがこれまでにお世話になった方々に、直接皆さんの晴れ姿をお見せできないことは、本学としても大変残念に思います。

 さて、一昨年の12月に中国湖北省武漢市で最初の感染が報告されて以来、新型コロナウイルス感染は瞬く間に全世界に広がりました。この感染拡大は世界経済のグローバル化と無関係ではありません。グローバル化の波がヒト・モノ・カネ・情報の流動性を高め、国際社会のボーダーレス化を加速させた結果、全世界に急速に感染が拡大しました。さらに、このパンデミックが新たな変異ウイルスを誕生させ、感染拡大の連鎖を断ち切ることができない状況になっています。

 世界各国では、国民の不安や経済的困窮を背景に暴動やデモが多発し、国際社会は分断されました。WHOがパンデミックを宣言した当初より、世界的歴史学者で哲学者のユヴァル・ノア・ハラリ氏は、感染症の大流行への本当の対抗手段は、分離ではなく協力であり、人々は科学の専門家を信頼し、国民は公的機関を信頼し、各国は互いを信頼する必要がある、と述べています。世界的な感染拡大が収まらない中、我々はこのような社会を目指すべきではないでしょうか。

 一方、日本国内に目を移すと、大学ではオンライン授業が普通に行われ、学会や会議もウェブ会議方式が主流となりました。社会人の勤務形態としては、在宅勤務やリモートワークが推奨され、意図せずしてSociety5.0が目指す、IoTの社会実装が加速されたように思えます。さらに、ポストコロナの時代を迎えるにあたり、東京一極集中を避けた地方分散型社会の実現は、より現実味を増してきていると感じます。これを大きな転機と捉え、政府はデジタルトランスフォーメーション:DXを強力に推し進めようとしています。DXとは、企業などがデジタル技術やビッグデータを活用して、製品やサービス、ビジネスモデルを変革し、競争上の優位性を確立することを意味します。

 このように、今回のコロナ禍は多くの深刻な被害を生むと同時に、我々にとって新たな学びと経験がありました。これから社会人となる皆さんには、急激な社会の変革に呑み込まれることなく、広い視野で多角的に状況を分析し、高度な専門的見地から課題を解決に導く力を磨き上げ、真に人間社会に貢献できるよう、ご成長頂きたいと願っています。是非、本学で身につけた知識や経験を最大限に活かし、日本社会を正しく先導する社会人としてご活躍ください。

 この度の学位記授与、そして新たな門出を祝い、卒業生・修了生皆さんの益々のご活躍を祈念いたしまして学長告辞といたします。

令和3年3月19日
北見工業大学長 鈴木 聡一郎

 学部卒業生、ならびに大学院修了生の皆さん、学位取得、誠におめでとうございます。 在学中の皆さんの努力が実り学位記を授与されましたこと、北見工業大学の教職員を代表いたしまして、お祝い申し上げます。

 この度、晴れて学士の学位を取得した方は374人、修士の学位は126人、博士の学位は1人の方が取得しました。この中には13人の外国人留学生が含まれています。学位記が授与されたことは、もちろん皆さん自身の学修成果の賜物ではありますが、ご家族や友人、研究室の仲間、そして指導教員など、周囲のさまざまな支援があってこそ成し得たことでもあります。是非、支援していただいた方々への感謝の気持ちを忘れずに、これまでの経験を今後の人生に活かしてください。

 さて、例年北見市民会館で開催している学位記授与式は、大変残念なことに新型コロナウィルスの感染拡大のため、今年は開催を断念することになりました。北海道では、急速な感染拡大を受け、知事が緊急事態宣言を発表する状況となり、週末の外出自粛が要請されました。本学としましても、卒業生・修了生の皆さんは勿論のこと、その他の学生や教職員への感染拡大を可能な限り防ぐため、苦渋の選択をいたしました。大切な思い出になるはずだった学位記授与式を挙行できないことは、学長としましても大変残念ですし、皆さんには心よりお詫びいたします。

 今回の新型コロナウィルス感染の拡大は、教育界、経済界をはじめ国民全体の日常生活に多大な影響を及ぼしました。中国湖北省武漢市で最初の感染が報告されて以来、ウィルス感染は瞬く間に全世界に広がりました。未知のウィルス感染によるパンデミックは、これまでの長い歴史の中で、幾度となく繰り返されています。そのような過去の経験が十分に活かされずに社会は大きく混乱し、有効な手段が見つからないまま感染が急速に拡大しています。改めて、未知の感染被害に対する人間社会の無力さ、脆弱さを認めざるを得ません。

 また、このウィルス感染拡大は世界経済のグローバル化と無関係とは思えません。グローバル化の波がヒト・モノ・カネ・情報の流動性を高め、ICTの発展が様々な分野において社会のボーダーレス化を加速させました。ボーダーレスな社会は一見、利便性が高く高効率で、多くの人にとって満足度の高い生活が期待できる反面、今回のように感染症のパンデミックや薬剤耐性菌の拡散を助長しています。さらに富の集中や所得格差を拡大し、自国第一主義を台頭させるというパラドックスも指摘されています。

 この世界規模で起きたグローバル化による産業界・経済界を中心としたパラダイムシフトには、インターネットや通信衛星に関わる科学技術の進歩が密接に関係しています。皆さんが本学で学んだ工学は、自然科学を母体としながら基礎科学の進歩と技術の発達とともに、より豊かな生活を求める人類の欲求が、その発展を長きに渡り支えてきました。工学の発展が人々に豊かさを与え、人類のさらなる夢を創造してきたのは事実です。その反面、科学技術への過度な期待が、人類を苦しめる新たな感染症を拡大させることもあるのです。

 これは現在、世界各国で発生している自然災害についても、同様な事例であると言えるのではないでしょうか。経済的利益を第一に追求する、短絡的な技術革新の発想が地球環境を破壊し、地球規模で自然災害の発生トレンドを変え、世界各国で次々と想定外の被害を発生させています。 これからの将来、急激にグローバル化が進む社会を生き抜いていく技術者には、目先の利益に翻弄されず、ボーダーレス社会で重要視されるダイバーシティに適応し、多様なニーズを正確に把握して、それを正しく分析する能力が必要となるでしょう。

 これから社会人となる皆さんには、急激な社会の変革に呑み込まれることなく、広い視野で多角的に状況を分析し、高度な専門的見地から課題を解決に導く力を磨き上げ、真に人間社会に貢献できるよう、ご成長いただくことを願っています。是非、本学で身につけた知識や経験、人間ネットワークを最大限に活かし、日本社会を正しく先導する技術者としてご活躍ください。

 この度の学位記授与、そして社会人としての新たな門出を祝い、卒業生・修了生皆さんの益々のご活躍を祈念いたしまして学長告辞といたします。

令和2年3月19日
北見工業大学長 鈴木 聡一郎

 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。北見工業大学の教職員を代表いたしまして、皆さんのご入学を心から歓迎いたします。
 また、これまで皆さんのご成長を温かく見守ってこられたご家族の皆様にも、心からお祝い申しあげます。

 また本日はご多用にもかかわらず、北見市長の辻様、大学後援会会長の永田様、同窓会会長の鳥越様、そして学生後援会会長の富田様にご臨席を賜り、入学式を挙行できますことに感謝申しあげます。

 本学は、地域の大きな期待を受け、1960年に国立北見工業短期大学として開学しました。当時の入学定員はわずか80名でしたが、現在では二千人を超える学生が在籍しています。今年度は、学部には10人の留学生を含む419人の新入生と12人の編入生が入学しました。また、大学院には、博士前期課程に112人、博士後期課程には9人が入学しました。その中には5人の留学生が含まれ、総勢552人の学生諸君が入学しました。

 本学の学士課程は、一昨年の改組により2学科8コース制となり、しっかりと専門分野を学ぶことはもちろんのこと、分野横断的な学際教育や課題解決型学習も充実させ、広い視野と高い応用力を身につけ、多様化・複合化する社会的課題に柔軟に対応できる技術者を養成します。さらに大学院では、グローバル化が進む社会の要請に応えられる高度専門技術者や研究者の養成を目指し、帯広畜産大学、小樽商科大学との連携を活用して非常にユニークで魅力的な教育プログラムを整えていきます。大学院に入学した皆さんに期待していただくとともに、学部に入学、あるいは編入学した皆さんは、是非、大学院への進学を目指してください。

 一方、研究面では、次世代エネルギー開発技術、冬季スポーツ科学、一次産業支援技術、そして自然災害対策に関する研究を重点研究分野として推進しているところです。いずれの研究分野も世界最先端の研究成果を地域に還元することを目指しています。皆さんも、これらの分野に関連する研究テーマに携わることができますので、大いに興味を持っていただければと思います。

 さて、皆さんは「平成最後の新入生」です。平成時代はバブル経済の最中にスタートしましたが、その後バブル経済が崩壊し、経済低迷が長期化する中、本格的な政権交代もありました。世界的にはグローバリゼーションが急速に広まり、地球規模で人・モノ・カネの流動性が高まりました。このグローバリゼーションのメリット・デメリットについては様々な見解がありますが、産業のメガコンペティションを生み、格差社会や富の集中を助長したのも事実です。この地球規模で起きた産業界・経済界のパラダイムシフトには、インターネットや通信衛星に関わる科学技術の進歩が密接に関係しています。工学を学び、我が国の将来を担う技術者となる皆さんには、是非、目先の利益だけにとらわれず、広い視野で多角的に物事を捉え、的確な判断で社会的課題を解決できる素養を身につけていただきたいと切に願います。

 また皆さんは、「Society5.0」という言葉を一度は耳にしたことがあるかと思います。Society 5.0では、IoTで全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことで、少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差などの社会的課題や困難を克服し、人間中心の知識集約型社会の実現を目指しています。これにより様々な経済活動がビッグデータ化され、それを分析・活用することで新たな経済価値が生み出され、従来人間によって行われていた労働の多くが、AIやロボットに代わると予想されています。このように、皆さんがこれから学ぶ工学を専門とする技術者に求められる素養は、今後大きな転換期を迎えることは想像に難くありません。理系・文系の枠を超え、激動する社会に柔軟に対応できる応用力を磨く必要があります。

 さらに皆さんが学ぶ工学は、人類の営みを豊かにするための学問であることを忘れてはなりません。人類の営みを豊かにするためには、多様なニーズを正確に把握し、それを正しく分析する必要があります。人間の短絡的な発想による科学技術への過度な依存が、地球環境を破壊し、災害をもたらすこともあるのです。このような過ちを回避し、工学により人間社会に真に貢献するためには、科学技術の進歩のみならず、多様性に富む人間同士のコミュニケーションが非常に重要になります。インターネットが普及し、多くの人がSNSを利用するようになり、情報拡散の速度が格段に向上した現代だからこそ、正確な意思の伝達による相互理解が高いレベルで必要となるのです。そのためには、日常の学生生活の中で様々な人と積極的に出会い、多様な指向性を甘受し、相互理解を深める経験を積むことが重要になるでしょう。その第一歩として是非、新たな友人との出会いを積極的に求めてください。本学には、全国各地から学生諸君が入学しています。さまざまな歴史や文化を背景とする、さまざまな地域で育ってきた、これまで出会うことがなかったような友人に出会えるチャンスがたくさんあります。より多くの友人と意見を交わしながら人として成長し、それを皆さん自身の将来に活かして欲しいと願って止みません。

 結びになりますが、大学生活という時間は、皆さんの人生にとって非常に貴重なものになります。北見の地で、輝かしい未来への希望を胸に、一瞬一瞬を大切に生活してください。皆さんの学生生活が充実したものになりますよう祈念いたしまして、歓迎の挨拶といたします。

平成31年4月4日
北見工業大学長 鈴木 聡一郎

 学部卒業、ならびに大学院修了の皆様、学位取得誠におめでとうございます。 在学中の皆さんの努力が実り、本日学位記を授与されましたこと、北見工業大学の教職員を代表いたしまして、お祝い申し上げます。

 また、本日はご多用の中、北見市長の辻様、大学後援会会長の永田様、同窓会会長の鳥越様、学生後援会会長の富田様にご臨席を賜り、学位記授与式を挙行できますことに感謝申し上げます。

 さらに本会場には、卒業ならびに修了生のご家族・ご親戚の皆様にも多数ご出席いただいております。この場をお借りしまして、これまでの本学へのご支援、ご協力に感謝いたしますとともに、お子様の新たな門出に心よりお慶び申し上げます。

 本日、晴れて学士の学位を取得された方は366人、修士の学位は98人、博士の学位は7人の方が取得されました。この中には15人の外国人留学生が含まれています。皆さんが学位記を授与されたことは、もちろんご自身の学生生活における努力の賜物と言えますが、ご家族を始め友人や研究室の仲間、そして指導教員など、周囲の大きな支援と協力があってこそ成し得たことでもあります。是非、お世話になった方々への感謝の気持ちを忘れずに、この経験を今後の人生に活かしていただきたいと思います。

 さて、皆さんが本学で学んだ工学は、自然科学を母体とし、基礎科学の進歩と技術の発達を伴い、より豊かな生活を求める人類の欲求が、その発展を長きに渡り支えてきました。しかしながら、昨今では、科学技術への過度な依存が地球環境を破壊し、自然災害発生のトレンドを変え、記憶に新しいところでは昨年9月に発生した北海道胆振東部地震による電力供給システムのブラックアウトのように、自然災害に起因する人災が散見されるようになりました。これから、工学を学んだ技術者として日本社会の将来を担う皆さんは、これまでに学んだ専門知識だけでなく、広い視野で多角的に物事をとらえ、課題解決に向かう姿勢が重要になるでしょう。

 また、今後の日本社会に大きな影響を及ぼすSociety 5.0は、ご存知の通り仮想空間と現実空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会を目指すものです。IoTで全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことで、今後ますます深刻となることが予想される少子高齢化や地方の過疎化、貧富の格差など、我が国が抱える課題を克服することを目標としています。近い将来AIの実用化が急速に進み、ビッグデータを活用して必要な情報が必要な時に、より正確に提供されるようになり、産業の在り方までを大きく変えていくものと予想されます。

 これからは、このようなイノベーションを通じて起こり得る、様々な社会的変革をしっかりと受け止め、臨機応変に対応し、飲み込まれることなく乗り越えていく力が必要となります。医療技術の発展により、人生100年時代を迎えようとしている今、皆さんは何度もこの荒波を乗り越えていくことになるかもしれません。そのような時こそ、本学で身につけた知識や経験、人間ネットワークを最大限に活かし、日本社会を正しく先導する技術者として活躍していただきたいと切に願っております。何かの機会に本学を訪ねていただいたときには、本学もまた皆さんの予想をはるかに上回る発展を遂げた姿をお見せしたいと思います。

 厳しい寒さも和らぎ、春の訪れを感じる季節となりました。本日、このように盛大に学位記授与式を挙行できましたことに、改めまして感謝申し上げますとともに、卒業生・修了生の皆様の新たな門出を祝い、今後益々のご活躍を祈念いたしまして学長告辞といたします。

 改めまして、学部卒業、大学院修了おめでとうございます。

平成31年3月18日
北見工業大学長 鈴木 聡一郎

 

[企画総務課 Last updated: 2023.04.07]