北見工業大学

大学からのお知らせ

令和5(2023)年 学長年頭挨拶

 明けましておめでとうございます。
 年頭にあたり、教職員の皆様へ新年のご挨拶を申し上げます。

 昨年を振り返りますと、ロシアのウクライナ侵攻や安倍元総理の銃撃事件、知床沖の観光船沈没事故や大学入学共通テストの問題流出、歴史的な円安と物価の高騰など、世界を震撼させた事件から身近なものまで、大きなニュースが相次いだ1年となりました。
 一方、明るい話題として、北京冬季オリンピックでカーリング女子日本代表 ロコ・ソラーレが銀メダルを獲得しました。本学にとっても非常に喜ばしい出来事でした。9月に本学で開催した銀メダル獲得の祝賀会・記念講演会には、多くの方にご参加いただきました。今後、本学の冬季スポーツ科学研究が更に競技力向上につながるよう、より一層連携・協力を強化していきたいと考えております。

 さて、新型コロナウイルスの終息が未だ見通せない中、本学においても、特に秋から冬にかけて教職員・学生から多数の感染者が出ました。幸いなことに重症化の報告はなく、胸をなで下ろしたところです。
 引き続き新型コロナウイルスの感染拡大には留意したいところですが、今後は学生の修学機会の確保やコロナ禍により失われた学生生活の充実について、より一層取り組んで行くべきと考えております。
 また6月には大学祭を3年ぶりに開催し、在学生だけではなく、小さなお子様からご年配の方まで、多くの地域住民が大学祭を楽しんでいました。改めて、地域に開かれた大学の存在意義を感じたところです。

 続きまして、大学運営に関連する話題としまして、施設整備・設備関係では、施設整備費補助金により本学敷地内の老朽化したフェンスの改修工事を実施しました。また、現在工事を進めている12号館の改修工事は3月17日の完成を目指しています。令和5年度の概算要求では、令和4年度の継続事業として12号館平屋部の改修の予算の内示がありました。
 また、情報処理センターでは、全学のICT基盤であるICT統合基盤システムを3月に更新し、200台を超えるサーバの仮想化と基盤集約を行いました。さらに、多要素認証を導入してセキュリティ向上を図り、三大学のサーバを集約するなど、北海道国立大学機構のデータセンターとしても大きな役割を担うこととなりました。
 さらに本学は、地域のDX推進をけん引する立場にあることから、新たにAIセンター[AI Commons(仮称)]を令和5年度に設置する予定となっております。

 学務・入試関連では、新型コロナウイルス感染状況を注視しつつ、参加人数の制限を行う対策をとりながら、対面によるオープンキャンパスを2回開催しました。ご協力いただいた先生方、事務職員の皆様におかれましては、大変ありがとうございました。令和5年度に向けては、コロナ禍前の態勢で開催できることを願っております。
 令和5年度入学者選抜では、10月実施の総合型選抜及び12月実施の学校推薦型選抜ともに、皆様のご協力により無事終了することができました。さらに、今月14日・15日には、大学入学共通テストが控えております。また、312日に実施予定の一般選抜後期日程の個別学力検査につきましては、昨年度と同様に本学試験会場の他に、札幌、東京及び大阪にも会場を設けて実施いたしますので、引き続きご協力をお願いいたします。
 本年4月には、新たな大学院工学研究科・博士後期課程がスタートします。昨年7月に設置が認められ、現在の3専攻を1専攻とした上で「共創工学専攻」へ改組し、定員は4名増員し、12名となります。改組にあたりましては、新専攻組織の検討、カリキュラムの構築、三つのポリシーの策定等に際しまして、教職員の皆様にご協力いただきましたことに深く感謝申し上げます。

 学術・研究面では、昨年、社会連携推進センターが、前身である地域共同研究センター創立から数えて30周年の節目を迎えました。昨年12月には記念式典・フォーラム・パネル展を開催し、本学の地域貢献・社会貢献と、将来にわたる意義や活動について、ステークホルダーと決意を共有化する絶好の機会となりました。
 また本学は、脱炭素に関する取り組みを強化しています。一昨年より、環境・エネルギー研究推進センターを中心に、メタンから生成された水素を新たなエネルギー源として利用する研究を推進しています。昨年より、北海道ガスとの共同プロジェクトが始まり、包括的連携に関する協定を締結した美幌町には、新たに削減の実証実験施設を建設予定です。
 さらに、昨年3月に連携協定を締結したJAつべつとは、夏に留学生を中心とする農業インターンシップを実施したほか、協定に基づく実証研究会を開催するなど、協力体制を強固にしております。
 今後も、地域との連携を大切にしながら、本学の教育研究がより強化されることを期待いたします。
 国際交流活動につきましては、ここ数年、オンラインでのやり取りが中心でしたが、昨年9月以降は、モンゴルの「新モンゴル学園」、ベトナムの「ハロン大学」「日越大学」と国際交流協定を締結し、相互訪問も実現しました。
 実際に対面で交流することで、互いの大学の特徴をより深く理解できるものと改めて実感できましたので、今年は学生の交流機会を是非作りたいと思います。

 最後の話題といたしまして、「国立大学法人北海道国立大学機構」がスタートして9か月が過ぎました。教職員の皆様には、経営統合に向けて多くのご協力をいただきましたことを、改めて感謝申し上げます。
 昨年4月には機構のオープンイノベーションセンターが本学に設置されたことを記念し、研究データ管理に関するシンポジウムが開催されるなど、機構の創設に関する多くの行事・イベントが実施されました。今後は、三大学の連携教育プログラムや共同プロジェクトの本格始動により、三大学の連携がより強化されることと思います。法人、そして各大学が今後益々発展していけるよう、引き続き皆様のお力添えをよろしくお願いいたします。

 結びとなりますが、皆様がご家族ともども、心身ともに健やかに暮らせる1年となりますよう、心より祈念いたしまして、年頭の挨拶といたします。

 

令和5年1月4日

北見工業大学長  鈴木 聡一郎

[企画総務課 2023/04/17 更新]

« 前のページに戻る